昨夜は、東京フィル今年最初のサントリー定期。
サントリーホールは昨年11月以来でした。
ブラームス交響曲2番4番という渋いプログラム。
2番も4番も2楽章ではチェロが美しい主題を奏でるので
もうチェロ弾きには、たまらない曲なのです。
ホールへ到着したのは6時35分。サンドウィッチとオレンジジュースで軽食をとって解説書に一通り目を通すと面白いことが書いてありました。
2番2楽章、冒頭のチェロの主題は実は4拍目から始まっているのだそうです。
そうとは知りませんでした。てっきり1拍目からだと思ってました。
ブラームス2番聞きながらCDにあわせて指揮のまねごとなんかして遊んでいると、拍子が合わなくなるのは、こういう拍子のずれがあるからだったんですね。
指揮は高関 健。
高関さんは、とても明快でダイナミックな指揮をされます。あの棒はとても見やすいので、演奏者はすごく楽に音が出せるんじゃないかと思いながら指揮を眺めていました。
4番が最初で2番が休憩のあとでした。
ちなみに弦の配置は、コンバス6本が1stヴァイオリンの後ろ、チェロ8本が1stヴァイオリンの内側、2ndヴァイオリンがステージ右と「対向配置」でした。
昨夜は息子が体調不良のため、いつもの自分の席ではなく息子の席で聴いたのですが
チェロが息子の席から良く見えました。
写真↓↓は昨夜演奏を聴いた席のすぐ後方のRA1ドアから休憩中にとった舞台。
チェロトップがいつもとは違う方で、じっと弾き方を観察していました。
右手がとてもゆったりしたボーイングでビブラートはむやみにかけず、遅めのビブラートです。終演後、事務局の方にお名前を尋ねましたが、渡邊辰紀さんという方だそうです。
チェロは8本でしたが、とても充実した音がしていました。
4番の冒頭の1stヴァイオリンの主題の音量を聞いて、いつもよりも音が弱い感じがしましたが、杞憂でした。音量が弱いのは指揮者の指示だったのかも知れません。曲の進行につれて、普段どおりの1stヴァイオリンの音になっていました。
それにしても久しぶりのブラームスは良かった。
ブラームス2番をサントリーで聴いたのは
ブロムシュテットが北ドイツ放送響を指揮したときだから
もう10年以上も前です。
北ドイツ響では2番4楽章でコンバスが楽器揺らしながら弾いていたのがとても印象に残っています。
昨夜の東京フィルのブラ2番も北ドイツ響に劣らない重厚な響きでした。
2番終楽章が圧倒的な響きで終ると熱烈な拍手とブラヴォー。
昨夜はなんとアンコールがありました。
新春なので定期会員への粋な計らいです。
ハンガリア舞曲でもやるのかと思ったら
大学祝典序曲
懐かしい旺文社の大学受験ラジオ講座のテーマ・ソングです(←これ判る人は同世代)。
大学祝典序曲をライブで聴くのは、実は、昨夜が初めてでしたが
大学祝典序曲ってすごく良い曲ですね。
もう圧倒されました。
昨夜は4番も2番も良かったけど
アンコールが一番感動しました。
東京フィルとマエストロに感謝です。
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ここからはコンサートでいつも感じている私見。
コンサートでいつも感じるのですが、終演後に拍手もせずすぐにさあっ~と帰ってしまう人。
あの方たちの神経はいったいどうなっているのでしょう。
「演奏をきけば、あとはオケには用はない」そんな身勝手な態度にはいつもうんざりします。
もちろん、凄い遠方からわざわざサントリーホールへきていてすぐに帰らないと
最終電車に間に合わないという方も中にはいっらしゃるかもしれません。
でもそんな人はごく僅かでしょう。
終演直後に立ち去る人たちは、もし美味しいレストランで素晴らしい食事をしても、
コーヒーを一気に飲み干してさっさと帰ってしまうんでしょうか?
昨夜もブラ2の演奏が終わってからも、ホントにすぐに席を立ち去る人が結構いましたけど
彼らはアンコールを聞かずに帰ったわけです。
そのアンコールが昨夜は一番素晴らしい名演奏だったのですから、そんな名演奏を聞き逃すのは、もったいないというか
すごく愚かですね。
演奏だけ聞いて演奏の余韻に浸らないという聴き方は
自分には全く理解できません。