カテゴリ:音楽( 101 )

 

マーラー5番

昨夜、サントリーで東京フィルのマーラー5番を聞いて来ました。
前プロはRシュトラウスの「死と変容」。

指揮者は当初
ダニエル・ハーディングの予定でした。
そうです。
あのマーラー・チェンバー・オーケストラを引き連れて
颯爽と指揮したハーディングです。

サイモン・ラトルの薫陶を受けた
ハーディングのマーラーは今期のプログラムでとても楽しみでしたが
彼は今超売れっ子なのでおそらく欧州で他の仕事が入ってしまったのでしょう。

代わりの指揮者はミヒャエル・ボーダー。
ボーダーの指揮も始めてでしたが、解りやすい振り方で好感が持てました。
ボーダーはムーティやメータのアシスタントをしていたそうです。

休憩時に
トランペットの1番奏者が
舞台裏で1楽章の冒頭の
「タ・タ・タ・ターーン、タ・タ・タ・ターーン、タ・タ・タ・ターーーン」
を何度も繰り返し、練習していました。

やはりプロ奏者でもあそこは相当のプレッシャーがかかるのでしょうね。
で本番では、冒頭のトランペットばっちり決まりお見事でした。
音に伸びがあって音量もある、とても気持ちの良いソロでした。
ブラボーです。

昨夜のコンマスは
三浦章広さん。
自分は三浦さんの大ファンです。
なので昨夜は演奏よりも三浦さんの弾きっぷりに釘付けでした。

自分の席はサントリーのRAブロックなので
指揮者とコンマスが真正面に見えるのです。

いつも思うのですが三浦さんのボーイングは、ほんとうに美しい。
どんな箇所を弾かれていても、弓が弦とほぼ直角。
あれほどきれいなボーイングで、しかも音に切れがある。
そういいう弾き方をするコンマスは、自分が知っている範囲では
三浦さんと大阪フィルの長原幸太さんぐらいでしょう。

演奏中に1stヴァイオリンから聞こえてくるのは
どうしても三浦さんの音ばかりで
それほど音が通る弾き方を会得されているんですね。

あと三浦さんは本番中に必ず弓の毛が何本も切れます。
それだけ瞬発力のある力が右手に加わっていると
いうことなのでしょう。

昨夜も5,6回は切れていました。

実は三浦さんは、音大を出ておられないのです。
音大出身ではないのに、プロオケのコンマスを務めるからには
相当のご苦労と練習があったのだと思います。

先日のN響アワーで1995年に
アンドレ・プレヴィンがブラ4を指揮している映像が
オンエアされていましたが、トップサイドにN響時代の三浦さんが
映っていました。

そのときの弾き方と昨夜の弾き方を比べても
ボーイングの技術がかなりアップされているのがわかります。

チェロは5プルト。
RAブロックからだとチェロ奏者の背中を見るので
どんな弾き方をしているか細かいところまではよくわかりません。

マーラー5番のチェロといえば
どうしても終楽章のロンド・フィナーレの
フーガの主題。

例のOrchester Studien Mahlerにも
もちろんのっています。譜面は↓です。


d0010720_17574688.jpg



昨夜もチェロパートの方は第1ポジションで弾いておられましたが
ここは難所です。

1小節目3,4拍目の移弦はC・G・C・G線ですが
2小節目3,4拍目の移弦はD・G・D・G線で手首と肘の動きが
まったく逆になるのと、6小節目がアップから入るので
すごく弾きにくいですね。

しかもここはテンポが相当速いので弓を飛ばせないと
ダメです。
いまのところ自分にはちゃんと弾くの無理です。
ここがインテンポで弾けるようになるのはいったい何時だろう。

終楽章のfffが一瞬のずれもなく終わると
同時にP席からブーイングなのかブラボーなのか
判断に迷うのですが
ものすごく大きな声で「ブォーブォー」
って叫んでいる男性がいました。

指揮者と三浦さんが一瞬あっけにとられていましたが
あとはブラボーの嵐。

ミヒャエル・ボーダーさんの東京フィル初デヴューは
お互いにとって「手ごたえ良好な演奏会」と感じました。
[PR]

by hideonoshogai | 2007-03-15 18:01 | 音楽 | Comments(2)