戦争レクイエム

墨田トリフォニーでは、毎年3月に地方都市オーケストラフェスティバルを開催し
ていますが、3月23日はその最初の演奏会。
15年3ヶ月も群馬交響楽団の音楽監督を務めた高関 健氏の最後の公演。
演目はベンジャミン・ブリテンの「戦争レクイエム」でした。

ブリテンというと、「パーセルの主題による青少年のための管弦楽入門」が有名ですが、これまで、ブリテンの作品をあまり真剣に聞いたことがありません。
持っているCDも弦楽オケのための佳作「シンプル・シンフォニー」、1940年皇紀二千六百年祝典のために作曲された「シンフォニア・ダ・レクイエム」。オペラ「ピーター・グライムス」の間奏曲ぐらい。

1985年11月,ベルリンフィル定期公演で小澤征爾さん指揮、フィッシャーディスカウのバリトンでの圧倒的な名演奏を体験した高関さんは、いつか自分も「戦争レクイエム」を演奏したいという気持ちを抱きつづけておられたそうです。

墨田トリフォニーは、ほぼ満員。
開演前に高関さんのプレトークがあり、大変わかりやすく解説してくれました。

オケは室内オケと通常オケの二つに分かれ、
室内オケにはテノールとバリトンが
通常のオケには合唱とソプラノが一緒に演奏。

ソプラノと合唱はラテン語の定番歌詞を歌い
テノールとバリトンは、第1次世界大戦で戦死したウィルフレッド・オーウェン作の
戦争を告発する詩を英語で歌います。

合唱、ソプラノ+大オケと
テノール、バリトン+小オケが
交互に演奏し、両方が一緒に演奏するのは終曲の
リベラメの最後のみ。

曲の解説が長くなりましたが
このように大小2つ編成のオケ、それに合唱+ソリスト、という編成なので
舞台上にはもう隙間がないほど椅子がたくさんならんでいました。

曲は「永遠の安息」「怒りの日」「奉納唱」「聖なるかな」「神の子羊」そして「われを解き放ち給え」。

80分ほどの大作です。
まったく予習もしないでぶっつけ本番で聞いたので、ちょっと疲れましたが
かなりの名演だったと思います。
ブリテンの独特の響きには慣れるまで時間がかかりますが
三人の独唱の歌もオケも児童合唱もほんとにすばらしかった。

特に5曲目「神の子羊」はフォーレのレクイエムに似たとても美しい響きが
したし、6曲目の「リベラメ」のfffのところは、ショスタコのレニングラードを
思わせる激しい不協和音があり、戦争の悲惨な情景がうまく表現されていた。

でもラストは一転してものすごく厳かで美しい響きで終わりました。

児童合唱は高崎市立京ヶ島小学校合唱部なのですが
これがまたすばらしい美しい音でびっくりしました。

あの児童合唱でマーラー3番を聞いてみたいと思ってパンフを眺めたら
2003年3月の地方都市オケフェスタでマーラー3番が群響で演奏されていました。

高関さんの棒はとても明快かつダイナミックでこの曲に対する
意気込みが感じられました。

戦争レクイエムは、CDで聴いてもその曲のよさはわからないでしょう。
というよりも途中できっとCD聴いていることができなくなる。
今回の群響の演奏を聞いてそう思いました。


高関 健[指揮]
木下美穂子[ソプラノ]
吉田浩之[テノール]
福島明也[バリトン]
群馬交響楽団合唱団[合唱]
阿部 純[合唱指揮]
高崎市立京ヶ島小学校合唱部[児童合唱]
群馬交響楽団[管弦楽]



PS:オケのみなさんが舞台に全員登場し、「さあ調弦」とおもったら
  なんとハープの弦が切れてしまって、ハープ奏者の方が
  自分で弦を交換していました。
  聴衆もオケの団員もみなハープを注視してましたから
  ハープ奏者はものすごく緊張されたはず。
  そこで高関さんがさっと現れ
  「今ハープの弦が切れてしまったので、張り替えています。
  すみませんがもうしばらくお待ちください」と話されました。
  それで、会場内の緊迫した雰囲気が一気になごみ
  ハープ奏者のかたもおちついて張り替えられたようです。
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by hideonoshogai | 2008-03-24 17:00 | 音楽 | Comments(2)  

Commented by ninja at 2008-03-25 22:00 x
これほどの大曲ともなると、聴くほうも大変ですね。この曲はcd二枚組みですものね。
児童合唱は男の子だけでしたか?子供達の声は、澄んでいて本当にきれいです。
モーツアルトのレクイエムなんか、私はウィーン少年合唱団のが一番愛聴盤です。
トリフォニーみたいな大きなステージだからいいでしょうけれど、じゃステージから楽員の方が落っこちそうになりそうです。以前、アルプスを聴いたとき、前の方だったので、ヴァイオリンさんの足が目の前でした(笑)
ロストロポーヴィッチがよく振ってましたね。ブリテンと友人の関係だったそうですから。
ブリテンは、ソプラノはロストロさんの奥様(舌をかみそうで上手く言えません)に歌って欲しかったらしいですね。あともちろんフィッシャー・ディスカウ。とにかく、こういう曲は生でホールで聴けばこそですが、家でcdを聴き通すなんてことはできそうもありません。
この地方オケのコンサートは評判がいいですね。東北からは今年は山響です。
Commented by hideonoshogai at 2008-03-26 13:03
ninja姉こんにちは。
ロストロさんは戦争レクイエムをよく振ったのですか?知りませんでした。3人のソロは今回とても良かった。自分はテノールの吉田さんが一番気に入りました。
まったく予習もせず、まっさらな状態で聞いてみましたが、やはり独特の響きに慣れるまで時間かかりました。
こういうのはCDでは最後まで聞けないですね。きっと途中で飽きてしまう。
やはりライブで、もう逃げ出せない状態で聞かないと(笑)。。
児童合唱は女子の方が多いですね(名簿の名前からですが)。
トリフォニーの3階で歌っていたので、本番中、客席からは児童合唱見えませんでした。6年生から3年生まで総勢48名ですが純朴な歌声でとても良かった。
山響はエンディングで登場ですね。ブルックナー4番です。

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