チェリスト長谷川陽子の世界

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朝日カルチャーセンターの公開講座。これからまもなく始まります。詳細は後程。


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土曜も昼間から土砂降りの雨。会場は新宿住友ビル7階の朝日カルチャーセンター74号室。
ここではクラシックの演奏者の講演会が頻繁に行われていて、以前にもチェリスト藤森さん、藤森さんと向山さんのお話を聞いています。

お客さんは意外に少なく30~40人ぐらい。いつもの定位置(いちばん右端)に席をとりました。この位置からだと譜面台が邪魔にならず演奏者の左手も右手も良く見えます。

1時過ぎに長谷川陽子さんと音楽ジャーナリストの伊熊よし子さんが登場。
伊熊さんと長谷川さんの対話がメインですが、演奏も充実していました。

バッハの無伴奏は3番からプレリュード、サラバンド、ブーレ、ジーグを弾いてくださいました。

プレリュードの冒頭のフレーズ。

ほとんどのチェロ奏者はダウン弓から弾くそうですが、アップから弾くかたもいらっしゃるとのこと。バッハ無伴奏は楽譜にあまり指示がなく、演奏者が自由に弾けること、いつも暗中模索で答えがみつからない、だから奥が深く演奏していて面白いことを強調されていました。

実際に冒頭をダウンとアップから2回づつ弾き比べてくださいました。

ダウンはすごく緊迫感がありますがアップからだとゆったり、たっぷりした感じがします。

サラバンドなどの重音では、和声的にどこの音を一番だすかで曲の印象が変わるとのことで、これも演奏のたびに解釈が違ってくることが多いのだそうです。

ジーグはものすごく軽快なテンポでしたが、DG、GD線の移弦の難所はスラーつきで難なくさらりと弾いておられました。さすがです。

長谷川さんのチェロをこんなまじかで聞くのは勿論初めて。
すごくテンポ感があって、自然な流れのバッハを真ん前で聞くことができ
とても感動しました。



楽器は1700年製のマッテオ・ゴッフリラ。

フィンランド留学中に米国の楽器屋にゴッフリラがでたそうです。
師匠のノラス先生がちょうど米国へ演奏旅行へ出かけられ「いい楽器かどうか見てきてあげるよ」とのことだったそうですが、演奏旅行から帰国された時に
なんとゴッフリラを持ってこられたそうで、それがこの楽器との出会いだったそうです。

弦はテールピース側は全部赤でしたが、ペグ側は上の二本はブルーだったので
AD線がヤーガー(stark) GC線はスピロコアと思います。

ここんとこ雨続きで湿気が多く楽器が鳴らないと謙遜されていましたが
とても力強く豊かな音がでる楽器でした。

バッハの後、またお話があり後半はカサドの無伴奏チェロ組曲を
全楽章弾いてくださいました。

カサドはカザルスの弟子。ノラス先生はカサドの弟子ということで
今回バッハーカサドを選曲されたのだそうです。

カサドはとてもダイナミックで躍動感のある演奏でした。
バッハの時よりも息遣いが激しかった。長谷川さんはこの曲が大好きなのだそうです。ノラス先生に教わったことは、「決めなきゃいかないところのテンポは決める。あとは自由に弾いてよい」とのことでした。

最新版CDのドボコン、シューマンの録音裏話や楽器のメインテナンスのこと、バッハ無伴奏の装飾音の解釈など、お話は大変興味深く、あっというまに90分が過ぎました。

今後の夢は、やはりエルガーのチェロコンチェルトを必ず録音する、ことだそうです。

長谷川さんの誠実なお人柄と音楽へのあつき思いに触れることができ、演奏までかぶりつきで見ることができ、大変、感銘を受けました。


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公開講座 「チェリスト 長谷川陽子の世界」

平成20年8月30日(土)午後1時~午後2時30分

新宿 住友ビル7階 朝日カルチャーセンター

講師: 長谷川陽子(チェリスト)
     伊熊よし子(音楽ジャーナリスト)

演奏曲目:バッハ無伴奏チェロ組曲3番より
        プレリュード
        サラバンド
        ブーレ
        ジーグ
     
       カサド無伴奏チェロ組曲 全楽章
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by hideonoshogai | 2008-08-30 12:53 | チェロ | Comments(6)  

Commented by mototyo at 2008-09-02 11:11 x
おぅ、盛りだくさんのプログラムしたね。満席でしたでしょう。
ところで、チェロ弾き達のオーケストラ、とりました~!
一番前も空いてましたが今回は。ね。
Commented by hideonoshogai at 2008-09-02 23:32
講演会だったけど、長谷川さんの生演奏もばっちり聞けてほんとに良かったです。浜離宮チケット取れましたか?11月なんてずいぶん先の事、と思っていたけどもう2ヶ月ないんですね。
Commented by ダンベルドア at 2008-09-04 22:21 x
こんばんは

3番のプレリュード,最初のドーシラのシラがAMBの楽譜ではスラーがないので弓順で弾いてCの開放をダウンで弾くためにはアップではじめようかなと思って弾いたことがあります。意外と悪くないですよ。

>ジーグはものすごく軽快なテンポでしたが、DG、GD線の移弦の難所はスラーつきで難なくさらりと弾いておられました。さすがです。

ここを高速で弾くときにはスラーつきのほうが私には難しいです。ダウンとアップのバランスが完全に取れて移弦がスムーズなボーイングの基礎がきっちりできていないとできないです。さすがです。
Commented by hideonoshogai at 2008-09-05 00:18
私も、シラのスラーなしでアップから弾いてみたことがあります。これも良いですよね。確か、ケラスのビデオがアップからでした。
ジーグのGD,DGの移弦は速くなるともつれます。動きが完全に逆になるから対応できなくなる。やはり基礎練習が大事ですね。
Commented by ぶんちゃん at 2008-09-05 02:59 x
ご無沙汰しております(^_^;

陽子さんのブログを見ていたら、hideoさんのカキコミがあったので、久しぶりの訪問です♪

陽子さんのブレス、すごいですよね。
演奏ももちろん力強いですけど、あのブレスもすごく説得力があります。
元々、鼻が弱くて口呼吸が多くなってしまう、とのことですが、
限られた時間内(コンチェルトのリハとか)で、こちらの意思をオケに伝えるには、これぐらいブレスした方が伝わりやすい、ともおっしゃっていました。

肩の調子はいかがですか?

私は、今週末には合宿、再来週の15日は発表会です。
極度の「緊張しい」なので、今回の発表会ではそれに呑み込まれない、というのが目標です。
Commented by hideonoshogai at 2008-09-05 23:43
こんばんは。長谷川陽子さんのブレス凄かったです。ブレスはもう演奏の一部でした。どんなブレスするかで、次に出てくる音が決まる、ってのが良く分かりました。あれは見習いたいですね。
肩は相変わらずです。元通りに治るまでにはやはり一年以上かかりそう(涙)。
15日発表会なんですね。ソロ、チェロ4重奏両方ですか?練習、本番とがんばってくださいね!

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