ベートーベンチェロソナタ全曲演奏会

ルドヴィート・カンタさんのベートーベンチェロソナタ全曲演奏会聞いて来ました。

カンタさんの第一印象。とても良い音を出すチェリストです。
見ていて驚いたのは、ほとんど弾きながらからだを揺らさないこと。
ほとんど無駄な体の動きがない。
ボーイングもうまい。
テクニックもほぼ完璧。

でも、体動がないのが、聞き手にどう伝わるかは
聴衆にとってはさまざまでしょうね。
僕は、ちょっと物足りないところが
たくさんあったですね。

もっと激しく弾いてほしい。
ベートーベンなんだから。
っていう箇所が何回もありました。

たとえば4番のアンダンテからアレグロヴィヴァーチェに移るところなんか
もすごく迫力不足って感じがしました。

ベートーベンのソナタは昨年11月にヨーヨーマで1,3,4番を聞きましたから
どうしてもカンタさんとマを比較してしまいます。
カンタさんには気の毒ですが。

決定的な違いはやはり音のインパクト。
音の強さ。
迫力。
これがマとカンタさんでは全然違う感じを受けました。
マは↑のアレグロヴィヴァーチェのところは、ほんとうに全身で
弾いていましたね。

ベートーベンのソナタ全曲を一晩で演奏するには相当の集中力と体力、気力が
必要と思います。
どこかで、集中力が切れるのではないかと心配していましたが、
2番のソナタの冒頭のなんでもないところで完全に一箇所落ちてしまった。
アダージョの7章節目の、僕が一番すきなところ、レ~~、ドーラ、シーソ、ラ~~ドラ
ああ、なんて美しい旋律だ!!と聞き入っていたら
次の章節の16分音符を3つ完全に弾き損ねた。
ふっと気がぬけたんでしょうね。

でも、オケの首席奏者ですからテクニックはあって
2番のロンドなんかすごく軽快にとばして
100小節からの難所なんか凄くうまかったですね。

全体に自然な弾き方で変な癖がないので
聞いていて疲れません。
6時半に始まって、休憩15分はさんで、8時45分には
5番がおわっていました。

でもこの一晩でソナタ全曲演奏会って企画いったい誰がかんがえたのでしょうね。
故・岩城宏之さんが大晦日に一晩でベートーベンの交響曲全曲を
演奏していましたが、
意外に岩城さんがカンタさんに
「おい君も一晩でベートーベンのソナタ全曲演奏してみたら、どう?」
なんてこと、言ったのがきっかけだったりして

でも↑は、あくまで僕の勝手な推測ですから。

CDは2枚購入しました。
一枚はダヴィドフ(有名なロシアの名チェリスト)の
チェロとピアノのための作品集。

全音から楽譜がでていて昨年から持っていたんですが
どんか感じかCDがあれば聞きたいとおもっていました。
今そのダヴィドフの作品集聞きながらこれ書いていますが
カンタさんやはりうまいです。

カサド、コダーイの無伴奏も買ったので今度ききます。
楽しみが増えました。

明日の大阪はどうなんだろう。
今夜、東京で大きな失敗をしたので
開き直って今日よりは良い演奏するような気がします。

ミスはあったけど2番が一番良かったような気がします。
ちなみに曲順は
1番
2番
休憩
3番
4番
5番
アンコールはぐっとムードを変えてジャズっぽい曲。
これ一曲だけでした。
やはり相当スタミナを使いはたしてお疲れだったのでしょうね。

ベートーベンは譜面づらは易しいところでも
ちゃんと聞かせるには相当の技量が必要だということを
再認識させられた一夜でした。
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by hideonoshogai | 2007-02-21 00:01 | チェロ | Comments(6)  

Commented by ちょろ at 2007-02-21 09:43 x
お帰りなさい〜。
弾き姿のパフォーマンスって、
聞く側(見る側)に与える印象ってありますね。
私も少し動いてくれる方が、その人の音楽が伝わってくる
感じがして好きかもしれないデス♪
Commented by hideonoshogai at 2007-02-21 10:13
行ってきました〜。
カンタさんは、ほとんど無駄な体動がなかったです。ソリストと首席奏者として弾く時は違うんだから、もう少し動いて体でも見せて欲しかったです。視覚的な要素って凄く重要ですものね。全身全霊を込めて一音をだす。そんな一撃というかインパクトが欲しいところでそれが来ないからもの足りない気がしました。でも、テクニックはほぼ完璧でかなり音も良いですよ。ちょろさんは今夜聞きに行かれますか?
Commented by mototyo at 2007-02-21 22:30 x
7時にはまだ仕事してました~。
わたの持ってる、ショパンのノクターンなんかは、めっちゃキレイですね。
その人のもってる持ち味は、他の人と比較はできないかも。
ブルネロなんかは、いつも、ああいう風に、自由に弾ければいいなぁ、とア思います。 
チェロを抱いて自由になる。
わたしの場合、チェロを抱くと不自由になる。 ほっほっほ。
Commented by チェり at 2007-02-21 23:11 x
そうですね、アマチュアと違ってプロはみんな違った個性がまた魅力になるのかも。魅力的なチェリストであれば一音二音はずした位ではゆらぐものでもないものです。たとえば先日のブルネロのアルペジオーネみたいに。あっ、またおもいだしてしまいましたmotot,,さん。身体を激しく動かし、すごい表情で弾いているからって情熱的な演奏かって言うとそうでもないケース、経験しました。昨年来日したヴェネチア合奏団のチェリスト、ダヴィデ・アマーディオさん!ものすごいオーバーアクションで観客の目をひきつけたのですが、目をつぶって聴いてみたら、すご~く優しくて自然な音色、でもつやっぽかった。そのとき、静かに弾けば優しい音かと思っていたけれど、全身全霊でああやって優しい音を出すのだな~と、いたく感動したのです。静かに弾いてもブルネロのように熱いものを感じる場合もあるし。。。
でもカンタさんは渋いチェリストですね。なんか日本人に近いのかも。shyな感じも受けます。
Commented by hideonoshogai at 2007-02-22 00:05
mototyoさん、昨日はお仕事でしたか。残念でした。カンタさんのCD、ダヴィドフのチェロとピアノの為の小品集今日パソコンに取り込んで譜面見ながら聞いてましたが、かなり良いですね。昨日サインもらっておくんでした。そうですね、チェロ抱いて自由になりたいですね~。
Commented by hideonoshogai at 2007-02-22 00:11
チェリさん。体を動かさない弾き方は力が無駄なく楽器に与えられているということなので、一番理想的な弾き方なのかも知れませんね。カザルスもほとんど体揺らさないですものね。唸り声はすごいけど。
リサイタルでは視覚的な効果があるから、オーバーアクションで聴衆を魅了させるっても重要なのかもしれないけど、目を閉じて聞いてみたら大した音がしていないってことはあるかも。その点、カンタさんはしっかりした音でしたね。

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