阿佐ヶ谷七夕サロンコンサート
毎年、この時期に阿佐ヶ谷で開催される七夕祭りの一環として
細田工務店が地元の人々に会社のフロアを開放しコンサートを開いている。
このコンサートを聴きにいったのは、今回が初めてだったが
会場は80人ぐらいがゆったりすわれる空間で
チェロをじっくり聴くにはちょうどよい広さだった。
自由席だったので会場時間よりも早めに到着するようにし
最前列の席でかぶりつきで聴いた。
プログラムは前半が
バッハの無伴奏チェロ組曲1番(チェロ:高橋 泉)
おなじくバッハの無伴奏チェロ組曲6番(チェロ:渡邉辰紀)
15分の休憩を挟んで後半は
白鳥(チェロ2重奏)
オンブラマイフ(ヘンデル)(チェロ2重奏+テノール白川?名前失念)
七夕さま(下総かんいち:西山健一編曲)(チェロ2重奏+テノール)
そして
チェロ2重奏 作品16(ポッパー)
アンコールが
アヴェ・マリア(バッハ・グノー・クンマー)(チェロ2重奏)
オーソレミオ(チェロ2重奏+テノール)
高橋さんのバッハはテンポも速めで繰り返しなしだったせいもあるのか
意外にあっさり終わってしまった感じがした。
渡邉さんは全部繰り返しありで演奏され6曲のなかでは最も技術的に難易度の高い
この曲を、ベースの音をたもちながら、旋律を朗々と歌い
素晴らしかった。
渡邉さんは今度の日曜にもこのバッハ6番を弾かれる予定。
白鳥は高橋さんのPizzを伴奏に渡邉さんが上を弾いたけれど
CDも含め今まで聴いた白鳥のなかでは一番テンポがゆっくり。
あれだけゆっくりのテンポで白鳥が弾けるのは渡邉さんの素晴らしい右手のテクニックがあるからだろう。
前回の渡邉さんの白鳥は伴奏がピアノだったけれど昨日は1.5倍ぐらいゆったりしていたのではないか。
最初からずっと渡邉さんのMCつきで進行していったが
今回テノールを歌う予定だった竹内さんが昨日本番直前に交通事故に遭い、出演困難になったとのことで場内は皆びっくり。
急遽、白川さん?(名前失念)に連絡しなんとか時間に間に合うということでピンチヒッターで登場。
リハーサル時間もほとんどなくきちんと合わせていないにも拘わらず、2曲ともばっちり決まって
拍手喝采。
最後の
ポッパーの2重奏は圧巻だった。
5楽章から成るこの曲は超絶技巧のオンパレードだが、そんな中で
二人のチェロが朗々と歌っている。
この曲はおそらく藤森さん向山さんご夫妻の演奏を聞いて以来だけれど
やはり我々アマチュアは絶対弾けない難しさだ。
4楽章、5楽章はチェロが歌って素晴らしかった。
渡邉さんの音はとても気品があり明るく鳴り響く。
勿論、右手のテクニックが抜群であることだけでは説明が付かないけれど
渡邉さんは弓をいつも駒よりでゆったりと弾いている。
あれだけの美音が出せるにはあれが一つの鍵だろう。
鳴り止まぬ拍手に応えて(?)
アンコールはアヴェ・マリア。
グノーのアヴェ・マリアの下の伴奏はバッハの平均律クラヴィア集1番だけれど
このアレンジはバッハの無伴奏1番のプレリュードになっている。
譜面では4小節の前奏に続いて、伴奏のアルペジオーネが始まるけれど
渡邉さんは、もともとの譜面とはことなる伴奏のアルペジオーネ(まさに無伴奏1番の冒頭
の4小節)を弾かれてそれから高橋さんの旋律が入ってきた。
この渡邉さんに下のアルペジオーネが柔らくて美しく歌っていてほんとに涙腺が緩みそうだった。
終演は予定よりも30分遅れの17時。
久しぶりにチェロ2重奏を堪能した。
ちなみにポッパーの組曲作品16の4楽章は
こんな感じの曲。
by hideonoshogai | 2012-08-06 21:11 | チェロ | Comments(8)
私の拙い印象記から、そのように感じていただけて嬉しいです。渡邉辰紀さんのチェロの虜になり、早5年。
これからもできるだけ渡邉さんのチェロを聞き続けたいと思っています。
えにおさんも機会があったら是非聞かれてみてください。