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バルビローリのリハーサル風景



バリビローリとハレ管の動画は以前、マーラー9番についての思い出を記載した時に
紹介しましたが、今回のリハーサル風景は、彼の緻密な練習が良くわかる貴重な映像です。



冒頭に映っている古い建物がマンチェスターにあったハレ管弦楽団の練習場。
その中からブルックナー7番の3楽章の中間部が流れてきます(今では定番中の定番のブルックナー7番。
実はこれも彼がイギリスで初演した多くの作品の中のひとつだそうです)。
30秒あたりで1stヴァイオリンのポルタメントがいかにもバルビローリらしい節回しでとても懐かしい感じがします。

映像では3楽章のスケルツォを彼が徹底的に仕上げてゆくプロセスがとても興味深い。

最初はすごく重く、遅すぎるテンポで弾いているけれど
彼が「重い」「遅すぎる」「もっと歯切れよく短く」「Cが長すぎる」「重くならないで」
(コントラバスに向かって)「quick out the C」
(コンマスに向かって)「too slow!, slow!!」と何度も何度も弾きなおし仕上げていきます。

4:17あたりからバルビローリが望んでいるテンポと歯切れよさになり、最初と
は音がまったく変わってしまうことに驚かされます。

もうひとつ驚くのはこのリハーサル風景の音。
きっとごく普通のカメラで撮影しているだけなのに
ものすごい迫力。
ちゃんとした録音機材で録音していたらもっと凄い音がしていたんでしょう。

バルビローリが棒を振るだけで楽団員の集中力が高まり
全員が100%の能力を出し切っていたからこんな素晴らしい音がするのでしょう。

by hideonoshogai | 2010-07-27 17:31 | 音源 | Comments(2)  

Commented by ほんぶちょ at 2010-07-28 08:21 x
今、ブル7を勉強してたとこなんで、ええもん見させてもらいましたわ~


しかし、
アル・パチーノに似てない?(笑)
Commented by hideonoshogai at 2010-07-29 06:31
ブルックナー七番は冒頭のチェロが、カッコイイですよね。バルビローリはイタリア人だから似てますね。歌心に溢れているのもイタリア人だからですね。

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